熊本の弁護士 たんぽぽ法律事務所

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熊本県御船町竹バイオマス問題住民訴訟~勝訴判決~

ニュース2014.12.26

平成26年10月27日(月)午後1時10分から熊本地方裁判所にて熊本県御船町竹バイオマス問題住民訴訟判決が言い渡され、住民側が勝訴致しました。
熊本地方裁判所は、山本孝二町長の金銭支出行為は違法であることを認め、御船町が山本町長個人に対して、9279万3000円の賠償を請求するよう命じました。

【「勝訴」の垂れ幕を掲げて喜ぶ、原告団長の吉井博氏(左)ら】


~熊本県御船町竹バイオマス住民訴訟~
熊本県御船町が国からの地域バイオマス利活用交付金を、設立されたばかりの事業会社・御船竹資源開発に、平成21年2月に2億円、同年5月に9279万円3000円を交付しました。

しかし、御船竹資源開発が自己資金を調達できず事業中止になったため、御船町は平成23年1月、補助金の返還が不可能な御船竹資源開発の代わりに、国に交付金を自主返納しました。 そのため、御船町に約3億円もの損害が生じたことへの山本町長の責任を追及する住民訴訟です。

この判決は、平成21年5月29日の時点で、事業会社は、日本政策金融公庫及び肥後銀行から融資を拒絶され、その他の金融機関の融資先もなく、個人の融資先とされている者についても資産調査等をしていないことなどを踏まえ、事業会社は、「本件事業に必要な資金の融資を受けられないことが確実な状況に至ったといわざるを得ない」とし、さらに山本町長の事業会社の資金調達についての調査・検討は「9000万円を超える多額の支出であるということに比して、極めて軽率な対応であったと評価せざるを得ない」とした上で、平成21年5月29日の山本町長の9279万3000円の支出は、「社会通念上著しく妥当性を欠いた行為であり、裁量権の範囲を逸脱し又は濫用した違法な行為に該当するというべきである」と断じて山本町長の支出行為の違法性を正面から認めました。

この判決は、首長の法的責任を正面から断じた極めて画期的な判決であり、高く評価される判決です。住民監査請求においても山本町長の責任が断じられていることを考え合わせ、御船町は、本判決を重く受け止め、控訴をせずに本判決に直ちに従うべきとの申し入れをしていましたが、御船町は不当にも平成26年11月7日に控訴しました。

控訴審でも、原告団・弁護団も全力で取り組んで参りますので、皆様のご理解とご支援をお願い致します。